上海社長の記

第6回 表のガラス戸とトイレ 2005年05月


クリーニング店の仕事

クリーニングは人様の衣服を預かって綺麗にしてお返しする仕事です。間違っても汚してお返しすることなど絶対にあってはなりません。あたりまえにことを何を力み返って言っているのかと、思われるでしょうが、これが中々難しいものなのです。

クリーニング店で発生しやすい汚れ

最近ではジーンズなどわざと色落ちするように作ったものもあって、そんなのと一緒に水洗いすると他に色が移ってしまいます。 こんな汚れを「移染」といいます。こうなると落とすのが大変なので、まず一緒に洗わないようにしなければなりません。ジーンズのようにはっきりしているものはまだよいのですが、本来落ちない筈なのに、染色の弱いものが混じっていたりすると大変です。
ドライクリーニングでも、白い衣類と汚れのひどい黒っぽい衣類を一緒に洗うと、溶剤に溶け出した汚れが白い衣類に付着してしまうことがあります。これを「逆汚染」と呼んでいますが、常に溶剤を綺麗に保っておかなければなりません。同時に洗濯物を区分して防がなければなりません。

不注意による汚れ

今まで言ってきたのは、クリーニングすることによって発生する汚れであり、技術とノウハウで防止できるものですが、もっと初歩的なミスが発生する可能性が多々あります。例えば、長いドレスの裾を床に引きずったとか、汚れた手で白い衣服をさわってしまったとか、工場内移動の途中で落とすとか、従事する人間の不注意によるものがついつい発生します。発生した場合はやむを得ず再生処理をしますが、できるだけ発生させないようにすることが第一です。そのために全従業員が、常に「お客様の大事なものを扱っているのだ」という気持ちを持ち続けなければなりません。

外から見えるガラス戸を綺麗に

気持ちを持ちつづけるとは、意識しないでも身についてしまっているということでしょう。老社長のとった方法は、表のガラス戸とトイレを常に綺麗にすることでした。表のガラス戸は、汚れていたら誰が見ても判ります。当店の従業員が朝一番にすることは掃除です。店内の床、機械、ガラス戸はいうまでもなく、表の道路に至るまで綺麗にします。社員を採用する前は、社長とマネージャーの二人で、ガラスを拭いたものでした。プロの掃除屋さんのやり方を教えてもらって,お陰でガラスの拭き方はすっかり上手になりました。この頃は社長がガラス拭きや掃除をすると、従業員に叱られます。零細企業といえども社長は掃除などしてはいけないというのです。このようにして、隣の店とくらべるとガラス戸は格段に綺麗になっています。

外から見えないトイレを綺麗に

逆にトイレは、目立たないところです。しかし汚れやすいところです。汚れたトイレに入るのはきわめて気分が悪いものです。当店では、「汚したものは自分で綺麗にする」と教えています。尾篭な話ですが、男性はよくしずくをこぼします。こぼれるのはやむを得ないが、こぼした後は必ずトイレットペパーでふき取るようにと指示しています。これは、社長が実演して見せたので、皆よく判ったと思います。勿論その後は、殺菌力のある洗剤でよく手を洗います。ホテルのトイレのように豪華な内装などは決してしていませんが、。ただいつでも汚れていないだけが自慢です。

まだまだ足りないところはいっぱい有ると思いますが、すべての社員が綺麗にする習慣を積み重ねていって、皆さんから「綺麗なクリーニング店だ」といわれる続けることを目標にしています。


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