上海社長の記

第5回 上海の交通事情 2005年04月


青信号でも安心して渡れません

上海にきてまず驚かされるのは、交通信号に従って横断歩道を渡るときです。青信号で歩行者が歩いているのに、自動車は遠慮会釈もなくどんどん入ってきます。はじめ頃は、交通規則なんて誰も守らないのかと思っていましたが、実はそうではなく、皆さんちゃんとルールに従って動いているのです。ただ日本とは少し(かなり)様子が違うだけなのです。

まず大きな違いは右側通行

頭の中では、ここは右側通行なのだとわかっていても、道路を横断するとき、実際には逆の方向に眼がむいていることが多く、逆方向から来た車のクラクションに驚ろかされることがよくあります。日本では道路を横断するとき、まず右を見て車のこないことを確かめ、次に左を見て大丈夫と判断して渡る。ところが中国ではまず左から車がこないかを見窮めねばなりませんが、その時どうしても右が不安で右の方もみてしまいます。あわただしく、左にも右にも視線を送りながら、渡っているのに気が付いて思わず苦笑してしまいます。

交差点では右折車は前方赤でも進入してきます

日本では、車は交差点で「左小回り、右大回り」となっていますが、中国では「右小回り、左大回り」です。更に、日本では、右折するにしても左折するにしても、前方の信号が青でないと進めませんが、中国では右折の場合は、前方が赤でも進めます。この赤で入ってくる右折車は自分の後ろの方から来る感じになるので、結構違和感を憶えます。歩行者が交差点を青信号で歩いている時、赤になっている側から車がでてくるので、思わず「何だ何だ」となるのはこのときです。日本よりも車の入ってくる場所がひとつ多いのです。
問題は自動車だけではありません。自動車の流れをやりすごすと、次に自転車とスクーター(電気自転車)の群れが待っています。朝の通勤時などは横断歩道の上に群がっていて、間を縫って歩かねばなりません。昼間に空いているときも、右折の電気自転車が音もなくどんどん進入してくるので注意を要します。

信号のない大きな道路の横断の方が安全?

店の前は、中央にグリーンベルトのある、幅50メートルはあろうかという非常に大きな道路になっています。向かいに大きなスーパーがありますので、そこに行く時には、この大きな道路を横断しなければなりません。自動車がびゅんびゅん走る道路を渡るなんてとんでもないと思っていましたが、実際に実行してみると、以外に安全なのです。むしろ交通信号を青で渡っているよりよほど安心していられるのです。というのは自動車は一方からしか来ませんし、信号で完全に流れ中断されますので、ある瞬間自動車の姿がまったく見えなります。そのときにグリーンベルトまで行き、次は逆方向から来る車の群れが、完全に途切れる瞬間を待てばよいのです。ただ最後に自転車、バイクの時間差攻撃には要注意です。信号の変ったときに自転車、自動車は同時スタートしますが、中間点につくには大分時間差ができます。自動車の流れが切れて、さあ渡ろうかということになり、渡り終える最後の頃にちょうどバイクの群れ、続いて自転車の群れがやってきます。

優先するのは人ですか自動車ですか

こうしてみると、右側通行という基本と、赤信号でも右折車がはいるのと、自転車バイクの群れが、大きな違いといえそうですが、実はもう一つ大きな違いが有り、それが何よりも大きいのではないでしょうか。
日本では、横断歩道に人がいれば、右折車も左折者も手前で必ず止まることになっています。歩行者優先の大原則があるからです。上海ではそうではありません。歩行者が渡っていても、車はどんどんはいってきます。人よりも車が優先であるかのようです。横断歩道上で立ち止まり、自動車の通り過ぎるのを待つことも再々あります。特にバスは非常に強いので、バスがきたらあわてて逃げなければなりません。とはいうものの、交差点でもし車が人を跳ねたりしたら、罪に問われるのは車です。人の方が車を意識して避けているのが、長年の習慣ですから、急に変るものではありません。
人出の多い大きな交差点、例えばワイハイ路と侠西南路の交差点では、人が群れをなして渡るので、さすがの車も止まって待たざるを得ません。やはり「大衆の力は偉大なり」といえます。


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